わたし、うつになりました。
これは普通のOLをやっている
陽気な人間が、うつ病になったという
それだけのおはなし。
2021年の初夏、まだコロナに社会が翻弄させられていた頃、世の中の企業もまた勤務形態の変化やコロナにより対応が必要になった業務、人手不足等々、翻弄させられていた。
わたしの会社も例外ではなく、部署移動直後にコロナ対応の人員としてお仕事をする1人となった。
コロナの対応、本当に関係各所みんな頑張ってた。
誰もが夜遅くまで頑張ってた。わたしも。
帰り道を歩きながら寝るまでに何分でやることを済ませられるかを計算し、コンビニで残っている数品の中から食べるのに時間がかからなさそうな食品を選ぶ。
部屋に帰ると過去数日分の空のコンビニ飯の残骸が机の上にあり、食器は使い尽くしたままシンクで洗われることを待っている。
お風呂入らなきゃ。でも洗濯をしばらくしてないので替えの下着なんかない。
会社の携帯が鳴っている。
心が折れそうだけど、折れるわけにはいかない。
わたしよりずっと大変な仕事をしている人がたくさんいるのだ。
わたしよりずっと夜遅くまで仕事をしている人がたくさんいるのだ。
わたしは言われたことやってるだけで大した仕事してないじゃないか。
そんなんで心折れたら、弱い奴だってみんなから軽蔑されるに違いない。
そんなのいやだ。
会社に行くとわたしは「ものすごくいい人」だ。
頼まれたことは嫌な顔せず受け、相手が気を遣わないようにユーモアを混ぜながらケラケラと陽気に仕事をこなしていく。
私はみんなにとっていい人になりたかった。
そんなこと無理なのに。
自分で自分に課していったプレッシャーは莫大なものとなり、ついに心がボロボロになっていくのがわかった。
誰にも責められていないのに、何をするにも誰かに責められるのではないかと怯えるようになった。
パズルゲームのアプリをダウンロードし、そのパズルをやっている時以外、気が休まらなくなった。
月曜日がやってくる絶望を金曜日の夜に感じ、泣いていた。
自分でも訳がわからないまま自分が壊れていった。
人生でうまくいかないことなんてないと思っていたし、人にも物事にも仕事にも誠実に向き合ってきたつもりだ。そんなわたしがメンタルを崩すなんて思っていなかった。
きがつくと涙で前がみえず、業務ができない状態になっていた。
上司にしばらく休みたい旨を伝えたあと、
母に電話をした。
観葉植物や冷蔵庫の中の賞味期限間近の惣菜もほっておいてカバン一つで泣きながら独身寮を出た。
心底みじめな気持ちだった。
絶望の闇の中新幹線に飛び乗り、実家へ帰った。
見慣れた車が停まっていた。
母が迎えにきてくれた。
無言で車に乗り込んだ。
「おかえり」
母の前で泣くのはなんだか恥ずかしく、わたしはジッと泣くのを我慢しながら帰路についた。
翌日、母が近くのメンタルクリニックに片っ端から電話をかけ、当日診療を行っている病院へ行くことになった。